KAWASUNブルーベリー園で行っているブルーベリーの育て方をご紹介します。
育て方についてお気づきになった点やご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
ブルーベリーの種類
ブルーベリーには5つの種類があり、種類により土壌への適応性、耐寒性、耐暑性が大きく異なります。
栽培にあたって特性を正確に押さえ、環境にマッチした種類、育て方を選びましょう。
・ローブッシュ カナダやアメリカ北東部の極寒冷地に自生する。多少の乾燥土壌でも育てやすい。
・ノーザンハイブッシュ 国内では関東以北の寒冷地で育てやすい。
・ハーフハイハイブッシュ 樹高が低く、耐寒性が優れているため極寒冷地で育てやすい。
・サザンハイブッシュ 国内では関東以南、九州での栽培に向く。
品種を選べば無霜期間が260日以上の地域でも栽培が可能。
・ラビットアイ 国内では関東以南、九州での栽培に向く。
温州みかんの栽培地域が適地になります。
福島県付近でも育てやすい。
ブルーベリーには早生種から晩生種まで沢山の品種があります。
そして、実の大きさ、味、収穫時期、育て方がそれぞれ違い、これらの選択が悩みの種となりますが大きな魅力でもあります。まずは寒冷地向きか暖地向きかを選択します。
ブルーベリーの根
ブルーベリーの根は非常に細い繊維根で、浅く(15cm程度)横に広がる特徴があります。
小さな苗木を直接、土に植えた場合、成長がおもわしくなく2、3年経ってから掘り上げてみても、植えた時の状態のままになってしまいます。
ピートモスを使用した場合は根がしっかり張ります。
又、根は下に伸びず、上に上にと出てきます。
その根が日にさらされると樹が弱ってしまいます。
それを防ぐ為、マルチングを定期的に補足する必要があります。
鉢植えの場合は大きな鉢へ植え替えて根を保護します。
ブルーベリーの土
ブルーベリーは酸性の用土で成長します。
PH4.5~PH5.2程度。
一般の農業用地はアルカリ性が良いとされています。
ピートモスを使用することで酸性にし、ブルーベリー栽培に適した土にします。
鉢植えも同様にピートモスを主体に栽培します。
ピートモス
ブルーベリー栽培に欠かせないピートモスについてご説明します。
ピートモスとは、水苔が数千年以上堆積してできた物といわれています。
現在、カナダ、ロシア、中国などから輸入されています。
ブルーベリーの原産地ではそのような場所にローブッシュブルーベリーが自生しています。
ピートモスはブルーベリー栽培において必要不可欠のもので、鉢植え、地植え、どちらの場合も必ず使用します。
ピートモスは非常に繊維分が多く、軽い。
そして、有機質含量が高く、通気性、排水性、保水性に富んでいます。
酸度無矯正でPH3,5~4とされています。
一般園芸用に販売されているピートモスには、石灰などを混合し、酸度矯正されたものがあります。
これらはブルーベリー栽培に適しませんので充分注意が必要です。
またピートモスは殆ど乾燥した状態で販売されております。
使用する前にもみほぐしながら充分に水分を吸収させます。
ピートモスと同量の水が目安。
KAWASUNブルーベリー園でのピートモス準備方法をご紹介します。
カナダ産ピートモスを使用しています。
苗木1本におおよそ12Lを目安にしています。
土壌条件により異なりますが沢山投入するほど成長は良いようです。
圧縮されているピートモスを良くほぐします。
長靴をはき、上から乗ると簡単にほぐれます。
水分を良く吸収するように振るいを使って均一な状態にします。
画像の水槽にすっぽりとはまるふるいを使っています。
このとき塊りが残っていると全く水を吸わないので注意が必要です。
風にまって目に入ったり、鼻、口から吸い込んでしまうので工事現場で使うマスク、ゴーグルは欠かせません。
川から水をポンプでくみ上げ、水槽へタップリ水を投入します。
余分な水分は勝手に抜けていくので水を入れすぎということはありません。
乾燥している箇所がないよう雪かき用スコップでかき混ぜます。
ブルーベリーの植え付け
植え付けについてご説明します。
ある程度の規模で初められる方向けです。
土地の形態により株間間隔、うね間隔を検討し植え付ける本数を決定します。
収穫作業の効率を考え、苗木の種類、本数の配置計画を立てます。
植え付ける畑を耕運機で整備します。
植え付け後の草の管理に格段の差がつきます。
では、いよいよ植え付けです。
2年生苗木を使用をした例です。
苗木1本につき、ピートモスを12Lバケツに一杯使用します。
直径30cm、深さ15cm程度の穴を掘ります。
余り深くせず浅植えにします。
ちょうどバケツ一杯のピートモスが入る大きさです。
苗木をポットから取り出し根は少々ほぐします。
穴にピートモスを投入しほぼ中央に植えつけます。
苗から10cmほど離し、冬囲い用の杭を打ち込んでおきます。
時期が経ってから杭を打ち込むと根を切断する恐れがあります。
又、この後チップを蒔く際の目印としても効果があります。
雪対策の必要ない地方でもなにか目印の杭を打っておくことをお奨めします。
風で倒れないようしっかりと!
最後にチップを20cm程度株の周囲にできるだけ沢山敷きつめます。
ピートモスの乾燥防止の為、植えつけた苗はその日の内にチップをかけます。
KAWASUNブルーベリー園ではお客様が歩きやすいよう全面マルチを採用しています。
この作業は方法により時間がかなり掛かります。
一日の植え付け本数に余裕を持って計画されるたほうがよいでしょう。
植え付け4ヶ月後に掘りあげて根の状態を確認してみました。
ピートモスにしっかり根が張っています。
画像の品種はスパルタンです。
田んぼからの転作
KAWASUNブルーベリー園は田んぼから畑へと転作しました。
転作方法をご紹介します。
・硬盤を破壊する
ブルーベリーは水分を好みますが、常に水分の中にありますと根腐れを起こし枯れてしまいます。
ですので、田んぼの硬盤を破壊し水はけを良くしなければなりません。
土地条件によりこれだけでは解決できない場合は、
・開渠(かいきょ)・・・周囲に排水用の溝を掘り、外部に逃がす。
・暗渠(あんきょ)・・・集水パイプを埋めこみ、水はけを良くする。
等の処置が必要になります。
又、植え込みを高畝(たかうね)にするか検討する事も必要かとも思われます。
バークマルチ材
ブルーベリー栽培において重要な要素を占めるバークマルチ材の準備。
植え付け本数、又は植え付け面積により、必要な量が確保できるか苗木を手配する前に検討します。
植え付け当初は半年後に2回目のマルチを施すと良好な生育をする。
大量にマルチ材が手に入るようでしたらできるだけ広範囲にマルチを施す。
KAWASUNブルーベリー園は全面マルチをしています。
乾燥したマルチ材をかけるとピートモスや地面の水分を逆に吸い上げてしまいます。
植え付け半年前から自然の雨にさらし水分が充分行き渡るよう、かくはんして植え付けに備えます。
場合によっては灌水します。
ブルーベリー栽培においては、根が乾燥してくると著しく成長が衰えてきます。
その対策がなにより大切かと考えております。
画像はマルチ材(ウッドチップ)の準備状況です。
コメント
2年生苗、3年生苗とはどの物差しで考えるのでしょう。
例えば去年3月に挿し木した枝がそだった時、現時点で1年生苗でしょうか、それとも2年生苗と呼ぶのでしょうか?一般に市販の苗の場合どちらでしょう?お手数ですが教えていただけますか。
(複数の栽培している知人に聞くと、1年と2年の答えが返ってくるので判断に困ってます。)
わくしまさま
正確な規定が無く 挿し木した時点から 1年経過した苗木を2年生(例えば3月1日に挿し翌年の3月2日以降を) その後一年経過したら3年生としております
温暖地なのでラビットアイ系を植えたいのですが、庭がそれほど広くなく、十分樹間がとれません。最低どの程度必要でしょうか。収穫が少なくてもやむを得ませんが、初心者なので、ちゃんと育てられるか心配です。
ラビットアイ系を庭のどこに植えようか考えているのですが、2本の苗木の最低の間隔と最大の間隔を教えていただけないでしょうか?ちょうど良い?2メートルで植えられる場所が無く、1メートルか4メートル間隔になってしまうのです。
ヤッシー様
大変遅くなって申し訳ありません。
既に植えられているかもしれませんが
基本的にはこの感覚でなければ駄目という事はありません
狭い間隔よりは ユッタリ植えてあげたほうが樹の為には良いです。